最大ドローダウンとは 売買ルールを運用した際に起こりうる「最大の損失額」のことを言います。
例えば、最大ドローダウンが「200万円」ですと 直前の資産額から「200万円損失」を抱えた状態になるということです。 つまり、 ドローダウンがあまりに大きい売買ルールは、場合によっては 1回の大きな損失で、資産のほとんどを失ってしまう可能性があります。 そう、リスクが大きな売買ルールなのです。
「システムトレードの達人」では 最大ドローダウンについて、
○「簿価ベース」の最大ドローダウン
○「時価ベース」の最大ドローダウン
の2つが、検証結果に表示されます。 もしかすると、ここで「簿価?時価?」と疑問に思っている方もいるかもしれませんね。 案外、この「簿価と時価」をキチンと把握している人は、少ないものです。 覚えていた方が良い話ですので、ここで覚えてしまいましょう。
難しい内容ですので、少し説明が長くなりますが 頑張ってついてきて下さいね。 「簿価ベース」の最大ドローダウンとは、 ドローダウンを計算する際に、 「直前の簿価」から「現在の時価」までの下落幅を計算したものです。
そして、 「時価ベース」の最大ドローダウンとは、 ドローダウンを計算する際に、 「直前の時価」から「現在の時価」までの下落幅を計算したものです。 言葉だけでは、分かりにくいと思いますので具体例を出しますね。例えば
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【例】「300万円」で1銘柄購入して、そのまま保有し、
株価が上昇したことで310万円まで増えたものの、
その後、270万円まで下落し、30万円損失を抱えている。
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とします。 この例では、直前に株価が上昇し、310万円まで増えています。 そのときの「簿価と時価」は、それぞれ以下の通りです。
○「簿価」は、購入額である300万円
○「時価」は、そのときの評価額である310万円
そして、その後、270万円まで株価が下落し270万円まで減少しました。 そのときの「簿価と時価」は、それぞれ以下の通りです。
○「簿価」は、購入額である300万円
○「時価」は、270万円
以上より、それぞれの最大ドローダウンを計算すると 「簿価ベースの最大ドローダウン」は、 株価が310万円まで上昇した地点の簿価「300万円」から 株価が270万円まで下落した地点の時価「270万円」を差し引き 300万円-270万円=「30万円」 「30万円」となります。
「時価ベースの最大ドローダウン」は、 株価が310万円まで上昇した地点の時価「310万円」から 株価が270万円まで下落した地点の時価「270万円」を差し引き 40万円となります。 310万円-270万円=「40万円」 「40万円」となります。 最大ドローダウンについて、 時価ベース、簿価ベースどちらを重視するかは好みです。
ちなみに西村の場合、時価ベースのドローダウンを重視しています。 違いを挙げるとしたら、 直前の簿価金額を使って比べてどのくらい減少したのか? または、直前の評価額(時価)を比べてどのくらい減少したのか? というくらいの話です。
いかがでしょうか。 皆さんは「簿価と時価」のどちらの最大ドローダウンを目安にしていますか? ぜひ、皆さんも、今回の内容を参考にしながら、 検証をするときは、最大ドローダウンの数字にも着目してみましょう。